儚さは白

白は始まりの色。

サッカーを90分見続ける集中力がない


W杯が始まった。4年に1度の祭典だ。

子供ながらにテレビに噛り付いた2002年の大会から12年が経った。2006年の玉田のゴールはよく覚えているし、前回大会の興奮は忘れられない。

数年前と比べれば、海外リーグへの興味も深まった。主に日本人選手の海外移籍が増えたことが理由に挙げられるが、今まで見向きもしなかった欧州CLを気にし出しただけでも大きな変化ではないだろうか。

それゆえに、ブラジルW杯への期待度は高かった。各国の主力選手のコンディション不良こそ叫ばれたが、ビッククラブで活躍する選手は大勢出場する。名前を耳にしたことのあるプレーヤーが試合に出場しているだけで嬉しい。

しかしなんだろう、この盛り上がらなさは。

W杯のことではない。感情の話だ。

ミーハーである僕は寝不足覚悟で試合をチェックし、翌日はにわか知識を周囲に披露するはずだったではないのか。

問題は明白だ。ゲーム終了まで集中力が続かないのである。先日の日本戦すら文庫本片手の観戦だった。

集中力が続かないという表現はいささか誤解を生むかもしれない。あたかも歳を取ったかのような言い方だ。正確には「テレビを見続ける集中力がない」とでも言おうか。

ここ1年、急激にテレビを視聴する時間を減らした。理由は様々あるが、とにかくテレビを見なくなった。おそらく今は1時間ドラマ、30分アニメを見ることさえ苦痛に感じてしまうだろう。NHKの連続テレビドラマ(15分)がやっとかもしれない。

思い出そう、ミーハーの底力を。と意気込んだものの、ドイツ対ポルトガルという好カードにさえ目が向かない。なんとか日本戦くらいは……金曜日までは眠りにつくとしよう。