儚さは白

白は始まりの色。

イトコがヲタクになっていた件

 

久しぶりに再会したイトコ(女子小学生)は背が伸び,日焼けもし,始まったばかりの夏休みに興奮していました.「若いっていいな」などと思いながら一服していると,ピアノの音色が……

 

あぁ,ピアノ弾けるんだったな……

 

…………

 

ボカロだ(゜〇゜;)

 

 何がどうなってるの?一体ナニゴトなの?

 

そういえば中学生の弟も言っていました.「給食の時間にボカロが流れている」と.社会は随分とサブカルチャーに寛容になったんだなあと再確認させられました.

 

僕が中学生の頃,ニコニコ動画といえばいわゆる「β時代」と呼ばれる黎明期.アニメのテレビ放映直後に動画がアップロードされるような無法地帯でした.公式チャンネルもニコニコ生放送だってなかった気がします.

 

それこそボカロ曲を給食の時間に流すなんて考えられず,仮に放送したとしても「なんなんだ,この音楽は!」と学校の9割の生徒が叫んでいただろう,そんな時代でした.

 

"The world is changing. Things never stay the same. "という文がGrammar in use の練習問題にありましたが,動画サイトが一大ムーブメントをつくるのが空想の世界だった当時から考えれば今の現状はあまりにも大きい変化です.

 

「カゲロウデイズの本買ってよ」「魔法なんちゃらの劣等生ってアニメ知ってる?」「ナノっていう歌い手がね~」

 

などとイトコは到底ついてゆけない話を繰り出し,

 

「カゲロウデイズ読むなら不思議の国のアリスの方が……」「ま,魔法なんちゃらの,えっ?」「ナノって10のマイナス9乗のことだよね」

 

と僕はまったく相手にならない.唯一通じた話題が「弱虫ペダル」.ありがとう,小野田くん.一緒に「ヒーメヒメ♪」と歌いました.

 

インターネットというものを誰もが気軽に扱えるようになったことで,日常を遥かに超越したスケールの世界を体験することが容易になりました.できることが増えた一方で,失ったものもきっとあることでしょう.

 

「ネットの情報はあやしい」

 

イトコはそう言いました.ネット文化に浸かることは決して問題ではないと僕は思います.もっとも重要なのはネットリテラシーがあること.そういう意味でイトコは立派でした.果たして,年長のみなさんはどうでしょうか.