京都探訪(南禅寺編)
京都は不思議だ。
夷川発電所を見たときからずっと来たかった場所だった。
京都と疎水は切っても切れぬ関係、水は命である。
水路閣の上に立つと、当然のことながら水が彼方から流れていることがわかる。
流れに沿って歩いていると、伯父様方が向こうよりいらして、先にダムがあると教えてくれた。
ダムは蹴上発電所といい、導水管を伝って水がやってきているらしい。
ダムを過ぎるとインクラインがある。春にはきっと桜並木が美しい。線路端には船があった。
ずうっと進むと、池に突き当たる。池には噴水があり、池の向こうにはきっと何かがある。
大観光都市である京都は、歩けば何処かへ辿り着く。まったくもって不思議な街だ。
細道を通り、また南禅寺の門を潜った。
計画性がないとたくさん歩く羽目になる。
そして方丈へ。
立派な庭園があると噂に聞いていた。
それはそれは素晴らしい場所だった。残念なのは、茶室が16時に閉まってしまったこと。それだけ。
鴨川には『たまこラブストーリー』を観たときからもう一度訪れたいと思っていた。飛び石は何度渡っても感動を覚える。橋がかかり、人々だけでなく交通も往来できるようになってなお、水面を己の足で飛び渡れるだなんて幸せじゃないか。
たくさんの幸せが京都にはある。
京都駅の大階段から眺める景色には夢がある。
京都は希望だ。
秋深まるこの頃、かつての都は確かに輝いていた。