儚さは白

白は始まりの色。

京都探訪(南禅寺編)

京都は不思議だ。
 
先月末、南禅寺を訪れた。お寺の中に水路閣が建っている。
 
夷川発電所を見たときからずっと来たかった場所だった。
 
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京都と疎水は切っても切れぬ関係、水は命である。
 
 
水路閣の上に立つと、当然のことながら水が彼方から流れていることがわかる。
流れに沿って歩いていると、伯父様方が向こうよりいらして、先にダムがあると教えてくれた。
 
ダムは蹴上発電所といい、導水管を伝って水がやってきているらしい。
 
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そういえば、『聖なる怠け者の冒険/森見登美彦』に巨大なパイプの描写があった気がする。歴史を感じさせるが、おそらく現役バリバリだろう。
 
ダムを過ぎるとインクラインがある。春にはきっと桜並木が美しい。線路端には船があった。
 
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ずうっと進むと、池に突き当たる。池には噴水があり、池の向こうにはきっと何かがある。
 
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大観光都市である京都は、歩けば何処かへ辿り着く。まったくもって不思議な街だ。
 
細道を通り、また南禅寺の門を潜った。
計画性がないとたくさん歩く羽目になる。
 
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南禅寺はとてつもなく広大である。門を通ってもまた門が現れる。無限門地獄とはこのことで、思えば水路閣も門ではないか。門の神様がいるに違いない。
 
そして方丈へ。
 
立派な庭園があると噂に聞いていた。
 
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それはそれは素晴らしい場所だった。残念なのは、茶室が16時に閉まってしまったこと。それだけ。
 
 
南禅寺を後にして、鴨川沿いをひたすら歩いた。反対の岸で「彩季」と書かれた大きな旗を振っている青年が見えた。どこからかトランペットの音も鳴り響き、鴨川に体育祭と文化祭が同時にやってきたようだった。
 
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鴨川には『たまこラブストーリー』を観たときからもう一度訪れたいと思っていた。飛び石は何度渡っても感動を覚える。橋がかかり、人々だけでなく交通も往来できるようになってなお、水面を己の足で飛び渡れるだなんて幸せじゃないか。

たくさんの幸せが京都にはある。

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京都駅の大階段から眺める景色には夢がある。
 
京都は希望だ。
 
秋深まるこの頃、かつての都は確かに輝いていた。
 
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